4万件超の配信にも対応。
約47%のコスト削減を実現したメルマガ運用とは
- 株式会社リンク
- 所在地神奈川県横浜市都筑区茅ケ
崎中央8-33 サウス・コア3F - 創業2009年(平成21年)5月
- 業種広告業(教育関連)
- ビジネスB2B/B2C
- https://www.link-j.co.jp/
東京・神奈川をはじめ首都圏の私立小学校・中学校・高等学校を対象とした「進学相談イベント」運営を柱にビジネスを展開する株式会社リンク。
同社は、会員(子どもの受験を検討する保護者)向けに各種メールを送付するマーケティング施策を展開しており、開封率は高いもので50%超、会員数も年間約1万人のペースで増加を続けています。そして、同社の情報発信の中核を担っているのが、メールマーケティングツールZoho Campaigns です。
今回、Zoho Campaigns 導入の背景と活用方法、導入後の成果や今後の展望について、株式会社リンク 営業部の宮﨑佐知子氏に話を伺いました。

「会員数が年1万人のペースで増えている中でも、Zoho Campaigns ならコストが急激に増えることがなく、安心して運用を続けられています」
株式会社リンク
営業部 宮﨑佐知子 氏
―はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
当社は、首都圏の私立小学校・中学校・高等学校を対象とした進学相談イベントの企画・運営を主な事業としており、年間を通して、合同相談会を約20回、オンライン説明会を約100回開催しています。もう一つの柱が「進学相談.com」という双方向型の進学情報サイトの運営です。保護者と学校をリアルとオンラインでつなぎ、進学相談会、合同イベントなどの告知や会員登録の機能を提供しています。
保護者の方には、イベント予約の前に「進学相談.com」への会員登録をお願いしており、登録後はイベント情報や学校からのPRをメールマガジン(以下、メルマガ)という形で配信しています。
私自身は、イベントに出展いただく私立学校への営業、集客施策としてのメルマガ運用、サイト管理(WordPress)から受注管理まで、多岐にわたる業務を担当しています。

メール施策などを担当している営業部の宮﨑 佐知子 氏
会員数の増加に伴い、メルマガ配信コストの見直しが課題に
―Zoho Campaigns 導入前にはどのような課題をお持ちでしたか?
当社では、コロナ禍以前から進学相談イベントを開催していましたが、それまでは予約不要のオープン参加形式でした。しかし、感染対策の必要性から事前予約制に切り替えることとなり、それを機に2020年に「進学相談.com」を立ち上げました。
文字通りゼロからのスタートでしたが、保護者のニーズは根強く、会員数は順調に増加。現在では年間約1万人のペースで新規会員が登録されています。
会員向けメルマガの配信については、当初はMailPoet(WordPressのプラグイン)を使用していましたが、配信先(メールアドレス数)が4,000件を超えたあたりから別のメール配信システムに切り替えました。ただ、そのツールではメールアドレス数が1万件を超えると急激に利用料金が上がることが判明し、将来的な配信コストの負担増が懸念されました。
そこで、よりスケーラブルでコストパフォーマンスに優れた配信ツールへの移行を検討し、たどり着いたのがZoho Campaigns でした。
使いやすさと拡張性を兼ね備えたZoho 製品群との出会い
―Zoho 製品との出会いや導入の経緯について教えてください。
最初に導入したのは、2023年4月のZoho CRM です。取引先である学校法人が200を超え、提案中の見込み客を含めると管理すべき顧客情報は膨大でした。それまではExcelで台帳管理をしていましたが、取引先の担当者や先生の変更に伴う情報更新やDMの発送業務が煩雑になっており、情報管理の効率化が急務でした。
Zoho CRM の導入により、顧客管理の精度と業務のスピードが向上。さらに同年11月にはZoho One へとアップグレードしました。これにより、Zoho Campaigns を含めた45種類以上のアプリケーションが利用可能となり、マーケティング施策を一元的に運用できる体制が整いました。
Zoho One のライセンス体系においては、従業員1人あたり5,000件の連絡先まで追加料金が発生しないため、8名体制の当社では、最大4万件までの配信先が標準プラン内でカバーでき、従来ツールと比較して約47%のコスト削減を実現できました。

Zoho Campaigns を使用し、約47%のコストダウンにつながったと語る宮﨑氏
メルマガ配信業務の効率化と、50%超の開封率を実現
―Zoho Campaigns を用いたメルマガ施策にはどのように取り組まれていますか?
当社では、メルマガ配信を主に2名のスタッフで担当しています。イベントのLP(ランディングページ)作成から予約フォームの構築、そしてメール作成まで、すべて社内で完結できる体制です。
メルマガ施策には、大きく2つの柱があります。ひとつは「イベントの案内と集客」です。現在、当社には約4万人のメルマガ会員がいますが、その方々に向けて、月1回を基本に学校相談会などの情報を配信しています。また、学校単位でのイベント情報、たとえば学校説明会や文化祭、体育祭といった催しについても告知を行っています。

配信スケジュールをカレンダーで一覧表示
配信にあたっては、「私立小学校受験」「私立中学受験」などでセグメントを分けています。特に私立小学校向けに関しては、関心の高い保護者の方が多く会員登録しているため、開封率が非常に高く、50%を超えることもあります。

関心の高いユーザーに届けるために、セグメントを分けている

開封率が50%を超えるケースも
なお、先述のとおり配信件数が4万件以上もあるため、スパム扱いされるリスクを回避する目的で、毎回分割配信(15分おきに25分割)を実施しています。大量配信でも安全性を担保した運用が可能となっています。

分割配信では、分割数や配信間隔を柔軟に設定可能
―メール作成の作業負荷についてはいかがですか?
Zoho Campaigns は、直感的な操作ができるのが特長で、LP完成後、その内容をもとに、テンプレートやドラッグ&ドロップ操作でスムーズにメールを作成できます。画像や本文などのカラムを追加していくだけの作業なので、1通のメルマガ作成には大体30分程度しかかからず、非常に効率的です。

実際に配信したメルマガのプレビュー画面
―2つめの施策についても教えてください。
2つめは、広告主から受注したPRメルマガの配信です。学校や学習塾などから「学校独自のイベント/自社サービスを保護者に紹介したい」という要望をいただき、当社の会員層と親和性の高い内容について、広告メルマガとして配信しています。
このとき、Zoho Campaigns のレポート機能が非常に役立っています。配信後の開封率・クリック数などを視覚的に確認でき、レポートはPDFでそのまま広告主へ提出可能です。スピーディなフィードバックが可能な点も、取引先からの信頼につながっています。
―Zoho Campaigns の導入効果についてはいかがですか?
最大の効果は、やはりコスト面です。従来使用していたツールと比較して、月額費用が大幅に抑えられました。加えて、メール作成の操作性も大幅に向上し、業務の効率化にも貢献しています。以前はHTMLメールの編集に手間がかかっていたのですが、現在はカラムの配置という直感的な操作でメールを作成できます。
また、配信結果の確認や分析についても、レポート画面が視覚的に見やすく、クリック数の多いリンク順に、どのリンクにどのくらい反応があったかなどがすぐに把握できます。
そして、Zoho Campaigns 単体だけでなく、Zoho One として導入したことで、CRMや他のアプリとの連携もでき、業務全体の効率化にも寄与しています。メルマガ施策に関しては、広告主から「配信先の属性に応じたセグメント設定ができるため、広告効果が高い」といった評価も得ていますし、会員からも「直前のイベント情報が届くのはありがたい」といった声が寄せられています。Zoho Campaigns は、当社のマーケティング施策の中心にあり、今後も欠かせない存在です。
多様なアプリ連携で業務全体を最適化
―現在はZoho One をご利用いただいていますが、Zoho Campaigns 以外にご利用中のサービスについて教えてください。
現在、Zoho CRM をはじめ、Zoho Books 、Zoho Analytics 、Zoho Bookings など、複数のアプリケーションを業務にあわせて活用しています。
たとえば、Zoho Books は受注、請求管理に活用し、これにZoho Analytics を連携させることで、売上の推移や月別の詳細な分析も行えるようになりました。Zoho Bookings では、オンラインでの学校説明会の予約を、各学校の先生方にスムーズにしていただくために利用しています。Zoho Survey はイベントの来場者アンケート、Zoho Forms は出展校募集のフォームとして使っています。

Zoho Survey の画面。クロス集計で「参加会場ごと」の違いも簡単に可視化できる
―今後注力したい取り組みについて教えてください。
現在の課題は、会員登録、イベント予約、メルマガ配信が別々の仕組みで管理されており、ユーザー側にも多少の手間を要してしまっている点です。これを解消するために、Zoho Creator を活用し、すべてを一元化できる新しい会員管理システムの構築を目指しています。
将来的には、会員登録からイベント参加、メルマガ配信までをシームレスにつなげる仕組みをZoho アプリ群で実現し、よりスムーズなユーザー体験を実現したいと考えています。
―最後に、Zoho Campaigns を検討中の方へアドバイスをお願いいたします。
メルマガは一斉にまとめて配信するよりも、内容ごとに細かく分けて送る方が反応がよいと感じています。実際、特定のイベントや特定の学校にフォーカスした内容のほうが、開封率やクリック率も大きく向上します。
また、イベントの集客が思うように伸びないときでも、直前にメルマガを配信することで、駆け込みの登録につながることがあります。広告では間に合わなくても、メルマガであればすぐに情報を届けられるので、最後のひと押しとしてとても頼りになる存在です。
「メルマガなんて今どき読まれない」と思われがちですが、情報を求めている人には確実に届きます。そうしたニーズに応えるためにも、これからもZoho の機能を活かしながら質の高い情報発信を続けていきたいと考えています。

株式会社リンク
- 所在地:神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央8-33 サウス・コア3F
- 業種:広告業(教育関連)
- ビジネス:B2B/B2C
- 事業内容:・私立小学校・中学校・高等学校の合同相
談会の企画・運営
・「進学相談.com」の運営 他 - 創業:2009年(平成21年)5月
- URL :https://www.link-j.co.jp/