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CRM/SFA 導入事例自治体営業に最適化した情報基盤を、約1.5ヶ月で構築。
Zoho CRM で約200自治体の情報を一元化し、
部門間のコミュニケーションコストを大幅削減

愛知県に本社を置く国内有数のエネルギー企業である中部電力株式会社。同社で自治体向けの営業活動を手がけるマルチユーティリティ本部では、約200にも及ぶ自治体の商談情報や顧客情報が部門ごとに分散管理されていたことから、部門間の問い合わせ対応にかかる工数の増大が課題となっていた。同社は、コスト面とカスタマイズ性の両面で営業推進チームのミッションに最適だと判断し、Zoho CRM の導入を決定。協力会社であるバディマーケティング株式会社(以下、バディマーケティング)の支援を受けながら、約1.5ヶ月という短期間で、現場の営業担当者とマネジメント層の双方が利用する情報基盤を構築した。その結果、マルチユーティリティ本部では、部門の枠を超えた情報共有が進み、顧客のニーズや過去履歴を踏まえた、より戦略的な営業活動が可能になっている。

「以前はひとつの自治体の状況を把握するために4〜5の部門に個別に問い合わせていましたが、今は『Zoho CRM を見てください』の一言で完結します。蓄積された情報はマルチユーティリティ本部の『資産』となり、戦略的な営業活動の基盤になっています」

──中部電力株式会社 マルチユーティリティ本部 営業推進PAチーム 課長 河口 英司 氏

中部エリアの約200の自治体へ電力の枠を超えたサービスを提供
2025年に司令塔役の新チームを結成

―マルチユーティリティ本部の概要を教えてください。

安井威人氏(以下、安井氏):マルチユーティリティ本部は、水道や水資源、農林資源、資源循環など、電力以外のユーティリティ分野の事業を推進する組織です。具体的には、自治体からのニーズを受けて社内の開発部門とともに新たなサービスを開発したり、東京支社と連携して国会や官庁への政策提言を行ったりします。「自治体営業の窓口兼、社内外へのハブ役」と言えば、分かりやすいと思います。

横地うらら氏(以下、横地氏):マルチユーティリティ本部では、2025年に「営業推進チーム」を設置しました。営業推進チームは、マルチユーティリティ本部の司令塔として各部門の営業活動を支援するチームです。当社の事業エリアである中部地方には約200もの自治体が存在します。そのすべてに対してマルチユーティリティ本部は営業活動を実施しているのですが、従来は各部門が思い思いにアプローチしており、情報やノウハウの共有が十分に行われていませんでした。そこで、営業推進チームを設置し、各部門に蓄積した知識を吸い上げて統合することで、戦略的かつ組織的な営業活動を目指しました。

情報基盤の不在が部門間の情報を寸断膨大なコミュニケーションコストが発生し
戦略的な営業推進の足枷に

―Zoho CRM を導入する以前の課題をお聞かせください。

河口英司氏(以下、河口氏):営業推進チームを設置したものの、その目的である情報共有を可能にするツールが存在しなかったことです。従来、自治体の顧客情報や商談情報は、担当部門ごとにExcelなどで管理していたため、他の部門には、どの部門がどの自治体を担当し、どのような案件を抱えているのかを把握できていませんでした。そのため、担当外の自治体の情報を知るには、直接、担当部門に問い合わせて確認しなければならず、膨大なコミュニケーションコストを発生させていました。

―CRMの選定にあたっては、どのような選択肢を検討しましたか。

横地氏:当初、他の本部が利用しているCRM(顧客関係管理システム)に相乗りする形で情報基盤を構築する案もありましたが、その案は見送られ、私たちが主導してツールを導入することになりました。というのも、自治体の数が200にも及ぶとはいえ、当社が取引する民間企業の数はその数百倍です。膨大な数の民間企業の情報を管理しているCRMに、200ほどの自治体の情報を追加して同一のシステム内で運用すれば、カスタマイズやセキュリティの面で自ずと不都合が生じると予想されました。それならば、私たちのニーズに応じたツールを選定し、自治体営業に最適な形で管理項目や商談のステージを設定しようと考えました。

―Zoho CRM を選定した理由をお聞かせください。

安井氏:選定の際に重視したポイントは「短期間・低コスト」「複数の案件やサービスを同時に管理できる設定機能」「既存の名刺管理アプリとの連携性」「画面のカスタマイズ性」の4つでした。なかでも、重きを置いたのが「画面のカスタマイズ性」です。マルチユーティリティ本部の専用システムを構築するわけですから、現場とマネジメント双方のニーズをできるだけ反映できるツールを選びたいと思いました。その結果、選定したのがZoho CRM です。選定時には競合する5製品の機能表を作成して比較検討したところ、Zoho CRM はカスタマイズ性が特に優れており、機能と価格のバランスも抜群。私たちの思い描いたシステムを最も実現してくれそうなツールがZoho CRM でした。また、Zoho CRM は単価テーブルが分かりやすく、低いハードルで始められるため、「自分たちが主導して、自治体営業に最適な形で設計する」という選択肢を現実的に取ることができました。

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―導入にあたっては、Zohoパートナーであるバディマーケティングから支援を受けています。バディマーケティングを選んだ理由は何でしょうか。

横地氏:当初はゾーホージャパンからの支援も検討していたのですが、私たちとともにシステムを構築していく伴走者のような存在が欲しいとも考えていました。その頃に参加した展示会で出会ったのが、バディマーケティングです。名刺交換後の何度かのやり取りで、レスポンスの早さと、こちらの相談内容に対する具体性のある提案が印象的でした。固定の担当者が親身かつスピーディに対応してくれそうだという安心感もあり、支援を依頼することにしました。

約1.5ヶ月でシステム開発を完了綿密な要件定義とユーザーヒアリングにより
現場とマネジメント双方が利用できる情報基盤を構築

―Zoho CRM の導入体制や導入プロセスをお聞かせください。

河口氏:2025年10月にシステムの要件定義を開始し、11月28日にリリース、12月1日に運用を開始しました。要件定義の着手から運用開始まで、約1.5ヶ月という短納期を完走しています。短納期が可能だった理由としては「ゴールイメージが明確にあった」というのが大きいです。「自治体営業の情報共有基盤」というシステムの目的が明確であったこともあり、必要最低限の機能や画面を効率的に構築することができました。なお、プロジェクトの進行管理はバディマーケティングが主導し、要件定義からリリースまでのスケジュールを日単位で設計しています。「○日までに中部電力が△△、その□日後までにバディマーケティングが××」といった粒度までタスクを落とし込んで、互いに期日を守る運用を徹底しました。

―導入時に特に注力したポイントは何でしょうか。

安井氏:短期間のプロジェクトでしたが、要件定義にはじっくり時間をかけました。テンプレートを組み合わせて「とりあえず動く状態」をゴールにするのではなく、各部門の業務を本当に効率化できるシステムを構築したかったからです。なかでも、力を注いだのがステージ管理の共通化でした。もともと、各部門の顧客管理の方法はバラバラで、営業活動のステージ管理も統一されていません。そこで、各部門に丁寧にヒアリングを重ね、それぞれの運用意図をすり合わせたうえで、全員が納得できる形にまとめるプロセスに時間をかけました。結果として、6つの共通ステージと52のサブステージからなる2層構造のステージ管理を実現しています。管理者は共通ステージで全体を俯瞰し、現場はサブステージで自部門の運用に最適化する、という設計です。

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横地氏:また、閲覧権限の設定については、部門ごとの閲覧制限を設けない方針を採ったため、設計を大幅にシンプルにすることができました。当初は部門ごとに閲覧制限を設定する予定だったのですが、「社内ならオープンでよい。問い合わせが減るほうがメリットだ」という現場の声が多く挙がったためです。これも「自治体営業の情報共有基盤」というゴールイメージが明確だったからこそ採れた仕様だと思います。利用の目的や範囲が明確だったからこそ、無用な作業を削減しながらシステムを構築できました。

自治体営業を加速させる「資産」を確立コミュニケーションコストは大幅に減り、
包括的な情報をもとにした営業提案が可能に

―Zoho CRM の現在の活用状況をお聞かせください。

横地氏:現在、マルチユーティリティ本部の各部門がZoho CRM を活用して営業活動を実施しています。具体的には、Zoho CRM に蓄積した顧客情報や案件情報を商談前に確認したり、担当外の自治体の情報を参考にして提案を練ったりといった活用法です。また、商談時の顧客の反応や持ち帰った宿題をZoho CRM に入力する習慣も根付いており、自治体営業に関する情報は日に日に増えています。こうした情報はマルチユーティリティ本部の「資産」と言っても過言ではありません。

Zoho CRM を導入して、どのようなメリットが得られていますか。

河口氏:いちばん大きい成果は、部門間のコミュニケーションコストが大幅に削減されたことです。導入前は、ひとつの自治体の状況を把握するために4〜5の部門に個別に問い合わせ、それを集約して管理職に報告する、といった作業が日常的に発生していました。導入後は、本部内で「Zohoを見れば必要な情報が得られる」という意識が確立されたため、こうした問い合わせはほぼなくなっています。「ここのリンクを見てください」の一言で済むようになったことの効果は、想像以上に大きいですね。

加えて、Zoho CRM が既存の名刺管理アプリと連携されているため、名刺情報を自治体ごとに一覧で確認できます。議事録や対応履歴と同じツールで名刺情報を参照できるため、日常の業務効率化はもちろん、引き継ぎ作業の手間も大幅に減ったと現場から評判です。

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安井氏:もうひとつ印象的なのは、現場の「使い倒そう」という姿勢が想定以上に強かったことです。導入後、過去の提案履歴をZoho CRM に自発的に移行してくれた部門が複数あり、本部の歴史的なナレッジを参照できる基盤が現場発で育ちつつあります。

横地氏:タスク機能も、私たちの想定以上に活用されています。お客様との商談で宿題をいただくことが多いのですが、そのタイミングでZoho CRM を開くため、タスクも同じ流れで入力・管理できる。「業務の動線とツールが噛み合った」というのが、現場視点での評価かなと思います。

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今後はモバイルアプリ対応などを進め、
「さらに使いこなしていくフェーズ」へ「選択と集中」がZoho CRM の活用の肝

―最後に、Zoho CRM の活用について、今後の展望をお聞かせください。

安井氏:今後は、モバイルアプリ対応、管理者向けダッシュボードの整備、担当者の変更や取引商材を起点とした部門間の連携提案など、活用領域の拡張を視野に入れています。これからは、約1.5ヶ月という短期間で築いた情報基盤を、さらに使いこなしていくフェーズです。Zoho CRM は機能が豊富なため、導入時には「あれもやろう、これもやろう」と欲張ってしまうように思います。しかし、それでは工数が増え、システムの構築に時間がかかり過ぎます。そのため、まずはシンプルさを意識してシステムを構築し、その後、徐々に設定や仕様を精緻にしていくのがZoho CRM の活用ポイントです。これから導入するユーザーにも、導入時には「選択と集中」を意識することをお勧めします。

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中部電力株式会社

  • 所在地: 愛知県名古屋市東区東新町1番地
  • 業種: 電気
  • 事業内容: ・電気事業
    ・再生可能エネルギー事業
    ・原子力事業
    ・海外事業
    ・コミュニティサポートインフラ関連事業 など
  • 設立: 1951年(昭和26年)5月1日
  • ビジネス: BtoB
  • URL :https://www.chuden.co.jp/

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